最近、巷で「ふたご座流星群」が話題になっている。


「ふたご座」という言葉にとても敏感な私は、


「そのふたご座流星群とやらをぜひ見たい!!」


という衝動に駆られた。


何を隠そう、


私はふたご座だからである。隠す必要なし)




「私はふたご座だからである」


なんて


「そんなこと『である調』で自信満々に言い切られても・・・。

誰にでも、生まれた月日に基づいて、自分の星座とされるもの

があるし・・・。」


と思われるかもしれない。

そう思われても仕方がない。


でも、私は普通の人々が思う以上に、自分の星座・・・そう、

ふたご座であることに誇りを持っているのである。


恐らく、あなたの周りで、そこまで自分の星座に誇りを持ち、

敬意を払っている人などなかなか見あたらないのではないか。

私だってお目にかかったことがない。

そんな人がいたらぜひ紹介して頂きたいぐらいだ。

もしそんな同士がいれば、お互いの星座についての各々の熱い想いを

小粋なカフェなんかで、カプチーノなんかを片手にぶつけあってみたいものである。



「星座を誇りに思うなんて、余程、他に誇れるモンがねーんだなぁ。」


と思ったあなた。鋭い。


そう。悲しいかな、自分にあまり誇れるものがないので、


「ちょっと星座くらいは誇らせてね★」

という決して可愛くはない「甘え」が見え隠れしているのがバレバレだろうか。


それでは、私が「ふたご座」をどういった理由で誇っているのか。

その理由をもっと掘り下げてみよう。(え?別に良い??)



まず「可愛い」ということ。


だって、・・・ふたごちゃんだよ?

「可愛さ」の象徴の一つと言っても過言ではなくない?


この「ふたご座」の双子が、一卵性双生児二卵性双生児かは

定かではないが、私の希望としては

「一卵性双生児の男の子と女の子」

であってほしい。


一卵性双生児は、一つの受精卵から分裂して生まれるため、

二卵性双生児に比べ、より似た子供たちが生まれるとされるが、

どうせ双子として生まれてくるなら、「これでもか!」という程に

似た特徴を携えていてほしい。


「ぎゃっ!!ウリふたつで見分けがつかないよ~」

なんて言われるようであれば、しめたものである。


「ふたご座」を名乗るほどの双子であれば、

それくらいの個性がないと、他の星座たちに食われてしまう。

今の時代、強い個性がモノを言うのだ。


ただ、もし、

「一卵性双生児」かつ「どちらも男の子もしくはどちらも女の子」

であった場合、双子の親がどんなに出来た親であっても、

教育の課程で、そこには「比較」というものが

生まれやすいのではないかと私は危惧してしまう。



双子の母:「次郎!一郎兄ちゃんは、ちゃんと勉強も宿題もやって、先生に褒められるのに、

あんたは何だい!ロクに勉強もせず、遊びほうけてて!あんたたちは

こんなに似ているのに、どうしてあんたは一郎みたいにきちんとできないのかね!」


と双子の次男、次郎は母親に怒られる日々。


次郎:「へっ!口を開けば、一郎、一郎って。あーあー、オレはどうせ一郎兄ちゃん

にそっくりな、単なるできの悪い息子だよ。もうオレのことはほっとけよ!(次郎家を飛び出す。)」


双子の母:「こら!待ちなさい!!次郎ーーー!!」



次郎は、優等生の兄、一郎に比べられる日々に耐えられず、

とうとう非行に走ってしまうのであった…。

                   ふたご1




そう。こうなることを…次郎が非行に走り、ゆくゆくは暴走族のヘッドとして

正月には恒例の「初日の出暴走」へと族仲間たちと繰り出していって

しまうこと
・・・私は憂いているのである。



次郎にはこうなってほしくない!



その上もし、次郎の縄張りが沖縄の宜野湾市であったら、住民に

「ダサイ族」

と呼ばれて、ダサイ者扱いされた挙げ句に、嫌われてしまうのだ。



これは絶対に避けたい。



なので、ふたご座の双子たちは、


「一卵性双生児」で、「男の子と女の子」


であるとしよう。

そう決めてしまうんだ。

こんなもの決めてしまったモン勝ちである。


いくらそっくりな双子でも、男の子と女の子であれば、教育方針も異なるだろうし、

間違っても、「次郎の悲劇」のような展開にはならないのではないかと思う。

大概、母親は息子に甘いし、父親は娘に甘いので、そこは上手くバランスを

とっていってくれるだろう。




続いての理由、

「人間」であるということ。

12種類あるとされる星座であるが、「人間」がモチーフとされている星座は

非常に少ない。


星座を順に上げていくと、

・おひつじ座 ・おうし座 ・ふたご座 ・かに座 ・しし座 ・おとめ座

・てんびん座 ・さそり座 ・いて座 ・やぎ座 ・みずがめ座 ・うお座


となるが、この中で、「人間」であろうとされる星座は、

「ふたご座」「おとめ座」のみである。


いて座は、実に惜しいが、いかんせん下半身が馬である以上、

いくら上半身が人間であっても、人間とは認められない。

ここは厳密にいきたいと思う。


気分を害したら大変申し訳ないが、他の動物や、モノや、甲殻類、節足動物の星座は

「ふたご座の敵ではない」、と考えているので、ここはおとなしく見守って

いてほしい。そして、できることなら、ふたご座を応援してほしい。



さて、ふたご座最大のライバル、「おとめ座」。


うーむ・・・。可愛さの観点でみると、

「乙女である」

ということは大きな武器であり、非常に手強い。


男性は大概「乙女」に弱い傾向にある。

ここで世の男性を敵に回し、ふたご座は敗北となってしまうのか・・・。




ただ、私はここで異論を唱えたい。


おとめ座の、自分で「乙女である」と称する精神はいかがなものか、と。



「乙女」を調べてみた。(ウィキペディア参照)

乙女ー若い女性、処女。穢れを知らない女性。


とある。


そんな穢れを知らない、純真な乙女が、

「あたし、乙女なんです!」

と自己紹介している時点で、こちらとしては何だかもう乙女とは思えないのである。


本当の乙女は、本人の気づかぬところで漂う、清純さや、純朴さが

相手に伝わり、

「あぁ、あの子は乙女だなぁ」

と思われることで初めて、一人前の「乙女」として認定されるのではないか。


なので、「おとめ座」の乙女には、何となく腹黒さを感じずにいられないのは

「ふたご座」である私だけであろうか。


・・・と、同時に私は今多くのおとめ座の人々を敵にまわしてしまっている

のではないだろうかと不安になってきた。


ひとまず、落ち着いてほしい。

たかだか星座である。

(といって、一番真剣に星座についての語らいを長々と続ける私こそ落ち着け。)


そんなわけで、ふたご座とおとめ座の一騎打ちの結末は置いておいて、

私がいかにふたご座であることに誇りを持っていることが

おわかり頂けたのではないだろうか。



なので、「ふたご座流星群」を見ないわけにはいかないのである。

そんじょそこらの双子座の人間よりも、私は双子座流星群を見守らなければ

いけない使命があるのだ。



というわけで、先日、15日の深夜2時に自宅のベランダに立ってみた。


ボロボロのパジャマ姿に、ダウンジャケットを羽織り、すっぴんで、眼鏡姿

という、なかなか人にお見せできないいでたちである。

                       ふたご2


私の住んでいるところは、都会というほどの都会ではないが、決して田舎ではないので、

街灯やネオン等の光害が邪魔をして、

「見られないかな~」

なんて半信半疑ながらも、夜空を見上げていたら・・・


「シューッ」

・・・み、見えた!!!

                           ふたご3



ベランダに立って、おおよそ3分で、見れてしまった。

見られたことは嬉しかったが、


「ちょっと、あんたもう少し出し惜しみしたらどう?」


と、サービス精神旺盛な双子座流星群に突っ込んでみたりした。


見たいのに、なかなか見られないからこそ、有り難みがあるような気がしたのだ。


まぁ、そんなこと言いながらも、流れ星に感動し、

結局10分間で、3つの流星を見ることができた。


俗に言う、

「流れ星の見えている間に、3回願い事をする」

なんていうのは、到底無理で、


「シューッ」(流れ星流れる)

「わお!(感動)・・・・・・あ!願わなきゃ!!」


と言った具合に、流れている間に一回すら願い事を言うことが出来ずに

終わった。


まぁ、それでも、3回流れ星を見て、都度、お願い事をしたので、

よしとしよう。



「やっぱりすごいや!ふたご座!!来年はふたご座の年になるぞ~!」

と、意気込む私。


「なんたって、ふたご座流星群の次の年なんだから!」

と、来年のふたご座の逆襲を強く胸に誓う。




「どれどれ、次にふたご座流星群が見られるのはいつなのかな?

何十年後?何百年後?」


と、次回の観測可能なふたご座流星群を調べてみたところ・・・






「あ、双子座流星群って毎年見られるのね・・・」





そう、ふたご座流星群は毎年観測可能な、わりと手軽に楽しめる

流星群らしい・・・。



「さすが、ふたご座・・・。サービス精神旺盛で、フレンドリーな感じで良いじゃない・・・」




そして、これだけ熱くふたご座について語ってきた割には、

毎年見られて来た「ふたご座流星群」の存在を今の今まで知らなかった私・・・。



おとめ座の逆襲が恐い。